|
| ■トップページ ■業務一覧 ○労働・社会保険 ○労働保険料の申告 ○算定基礎届 ○就業規則の作成・変更 ○賃金規程の見直し ○退職金規程の見直し ○割増賃金 ○年金改正 ○病院機能評価 ■情報室 ○高年齢雇用継続給付 ○60前半老齢厚生年金 ○解雇について ○雇用保険料率の改正 ○改正育児・介護休業法 ○健康保険の給付 ○年金額の計算事例 ○マクロ経済スライド ■コーヒータイム ○オイストラフの哲学 ■報酬額 ■事務所概要 ■労働判例 ○第4銀行事件 ○三菱樹脂事件 ○東亜ペイント事件 ○ハクスイテック事件 ○三菱重工業長崎造船所事件 ○エス・ウント・エー事件 ○富士重工業事件 ○山口観光事件 ○高知放送事件 ■リンク |
[最高裁判決][昭和48(1973).12.12] [事件の概要] 入社試験の際、学生運動に関する経歴を秘匿し、虚偽の申告をしたことを理由として、試用期間中にそのことが会社側に知れ、本採用を拒否された者が、労働契約関係存続の確認を求めた事例。 [裁判の結果]棄却差戻 [判決の要旨] ●採用の自由 会社は、従業員の採用にあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる。 憲法は、思想、信条の自由や法の下の平等を保障すると同時に、他方、22条、29条等において、財産権の行使、営業その他広く経済活動の自由をも基本的人権として保障している。 それゆえに、企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる。 企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。 ●試用期間 従業員は、入社日からすぐに本採用になるのではなく、最初の数ヶ月間は試用期間とされます。 試用期間中であっても、労働契約は既に成立しています。 ただ、この試用期間中に従業員としての適格性をチェックし、適格性が欠如している場合には、解約権が行使できるものとされています。 この場合の解約権行使の有効性は、通常の解雇より広い範囲で認められています。 もっとも、本採用拒否(留保解約権の行使)は、会社がまったく自由に行うことができるわけではありません。 いったん、試用期間つきで採用された者は、当該企業との雇用関係の継続についての期待の下に、他企業への就職の機会と可能性を放棄したものであることにかんがみ、留保解約権の行使は、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認され得る場合にのみ許されるものとしています。 ●合理的理由の有無 企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、または知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らし、その者を引続き当該企業に雇傭しておくことが適当でないと判断することが上記解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に相当であると認められる場合には、先に留保した解約権を行使することができるが、その程度に至らない場合には、これを行使することができない。 本件において、被上告人の解雇理由として、主要な問題とされている被上告人の団体加入や学生運動参加の事実の秘匿等についても、それが上告人において、上記留保解約権に基づき、被上告人を解雇しうる客観的な理由となるかどうかを判断するためには、 @まず被上告人に秘匿等の事実があったかどうか、 A秘匿等にかかる団体加入や学生運動参加の内容、態様及び程度 B特に違法にわたる行為があったかどうか、 C並びに秘匿等の動機、理由等に関する事実関係 を明らかにし、これら事実関係に照らして、被上告人の秘匿等の行為及び秘匿等にかかる事実が、同人の入社後における行動、態度の予測やその人物評価等におよぼす影響を検討し、それが企業者の採否決定につき有する意義と重要性を勘案し、これらを総合して、上記の合理的理由の有無を判断しなければならない。 トップページへ |