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健康保険の給付


健康保険の給付には、どのようなものがありますか?

健康保険の給付は、被保険者本人に対するものと家族など被扶養者に対するものに分けられます。
また、支給の形態から、現物給付現金給付に分けられます。


1.療養の給付

病気やケガで、病院や診療所で治療を受ける行為が療養の給付です。家族など被扶養者が治療を受けるときは、家族療養費として支給されます。
療養の給付の内容は、次のようになっています。
@診察
A薬剤又は治療材料の支給
B処置、手術その他の治療
C居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
D病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護


2.入院時食事療養費

入院時食事療養費は、入院したときの食事の料金から、患者が支払う標準負担額(1日につき780円)を控除した現物給付です。入院時食事療養費は、保険者が被保険者に代わり、保険医療機関に支払う現物給付の方式で支給されます。したがって、被保険者は、標準負担額を窓口負担すれば足ります。家族など被扶養者がこの給付を受けるときは、家族療養費として支給されます。


3.特定療養費

特定療養費には、2通りあります。
一つは、被保険者が大病院(正確には、特定承認保険医療機関)で、風邪などにより療養を受けたとき、「療養の給付」が行われるのではなく、「特定療養費」が支給されます。また、入院療養を受けた場合にも、「入院時食事療養費」ではなく、「特定療養費」が支給されます。
もう一つは、保険のきかない高度な先進医療を受けたきは、保険適用外の部分は、当然自己負担ですが、保険適用の一般の診療・治療と変わらない基礎的な部分については、「特定療養費」という名称で支給されます。
なお、家族など被扶養者がこの給付を受けるときは、家族療養費として支給されます。


4.訪問看護療養費

自宅で療養している人が、かかりつけの医師の支持に基づいて、居宅において、訪問看護ステーシヨン(指定訪問看護事業者)の看護師等から療養上の世話や必要な診療の補助を受けた場合、その費用が訪問看護療養費として現物支給されます。
訪問看護療養費の額は、指定訪問看護に要した費用の額から、一部負担金に相当する額を控除した額になります。一部負担割合は療養の給付の場合と同じです。
なお、家族など被扶養者がこの給付を受けるときは、家族訪問看護療養費として支給されます。


5.療養費

旅行先や緊急やむを得ない場合で、被保険者証を持っていないため、自費で診療を受けた場合などがこれに該当します。なお、海外の病院等において診療を受けた場合でも療養費(海外療養費)が支給されます。
療養費は、療養の給付等として現物給付されるべきであった額が、現金給付されます。
なお、家族など被扶養者がこの給付を受けるときは、家族療養費として支給されます。


6.高額療養費

重い病気などで、病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。
そのため、家計の負担を軽減できるように、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。
ただし、特定療養費の差額部分や入院時食事療養費は支給対象になりません。

ここでは、世帯全体(70歳未満)に係る高額療養費について、述べます。

下記の被保険者又は被扶養者が療養を受けた場合において、当該被保険者又は被扶養者が、同一の月に支払った一部負担金等の額(通院、入院ともに21,000円以上のものに限ります。)が、それぞれの場合の自己負担額を超えるときは、その超える額が、高額療養費として支給されます。

(1)上位所得者
上位所得者とは、療養のあった月の標準報酬月額が56万円以上の被保険者及びその被扶養者をいいます。
上位所得者の自己負担限度額は、139,800円+(医療費ー466,000円)×1%
[多数回該当の場合、466,000円→77,700円]
[例]
かかった医療費が100万円(自己負担額 30万円)の場合
自己負担限度額は、139,800円+(1,000,000円ー466,000円)×1%=145,140円
高額療養費として、154,860円(300,000円−145,140円)が後から支給されます。

(2)一般所得者の場合
一般所得者の自己負担限度額は、72,300円+(医療費ー241,000円)×1%
[多数回該当の場合、241,000円→40,200円]
[例]
かかった医療費が100万円(自己負担額 30万円)の場合
自己負担限度額は、72,300円+(1,000,000円ー241,000円)×1%=79,890円
高額療養費として、220,110円(300,000円−79,890円)が後から支給されます。

(3)市町村民税非課税者等の場合
市長村民税非課税者の自己負担限度額は、35,400円
[多数回該当の場合、24,600円]
[例]
かかった医療費が100万円(自己負担額 30万円)の場合
自己負担限度額は、35,400円
高額療養費として、264,600円(300,000円−35,400円)が後から支給されます。

[注]自己限度額の定額負担部分 139,800円、72,300円を負担割合の0.3で除すと、466,000円、241,000円となります。
高額療養費は、必ずしも、通知が来るものではありません。通知があつても、自分で申請をしないとお金は戻ってきません。

治療費の高額な月は注意しましょう?


7.移送費

被保険者が、療養の給付を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、保険者が必要であると認めた場合に限り、移送費が支給されます。
病院に移送された場合でも、通院など一時的、緊急的とは認められないときには、移送費は支給されません。
なお、家族など被扶養者がこの給付を受けるときは、家族移送費として支給されます


8.傷病手当金

被保険者が療養のため、労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して、3日を経過した日(4日目)から労務に服することができない期間について、傷病手当金が支給されます。
傷病手当金は、1日につき、標準報酬日額の100分の60に相当する金額です。
なお、労務に服することができない期間について、@、A、Bに該当する場合は、傷病手当金の支給額が調整されます。
@事業主から報酬の支払を受けた場合
A同一の病気又はケカ゛により、障害厚生年金を受けている場合(障害基礎年金を受けるときは、その合算額)
B老齢退職年金給付の支給を受けることができる場合(複数の老齢給付を受けるときは、その合算額)
@からBの支給日額が、傷病手当金の日額より多いときは、支給されません。
@からBの支給日額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が支給されます。
支給期間は、支給を開始した日から1年6か月です。


9.埋葬料(埋葬費)

被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であつて、埋葬を行う者に対し埋葬料が支給されます。
埋葬料の支給額は、被保険者の標準報酬月額(その金額が、10万円に満たないときは、10万円)になります。
被保険者が死亡したとき、被保険者により生計を維持していた者であって、埋葬を行う者がいない場合は、埋葬を行った者に対し、埋葬費が支給されます。
埋葬費の支給額は、被保険者の標準報酬月額(その金額が、10万円に満たないときは、10万円)を限度として、埋葬に直接要した実費額が埋葬費として支給されます。
被保険者の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、10万円が支給されます。


10.出産育児一時金

被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、1児につき30万円が支給されます。健康保険法の出産とは、妊娠4月(85日)以上の分娩をいい、それが正常分娩であると死産、早産、流産、人工妊娠中絶であるとを問いません。
なお、家族など被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金が支給されます。その基準や金額は出産育児一時金と同じです。


11.出産手当金

被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において、労務に服さなかった期間、出産手当金が支給されます。
出産手当金は、1日につき、標準報酬日額の100分の60に相当する金額が支給されます。
出産した場合において、報酬の全部又は一部を受けることができる期間は、出産手当金は支給されません。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。



12.資格喪失後の給付

健康保険法においては、被保険者の資格を喪失した後であつても、一定の要件を満たす場合は、保険給付が行われます。
資格喪失後の給付には、次の3種類があります。

(1)手当金の継続給付
1年以上被保険者であつた者が、その資格を喪失した際に、傷病手当金又は出産手当金の支給を受けていた場合に、法定の支給期間が満了するまでの期間、継続して当該手当金を支給するものです。

(2)死亡に関する給付
被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後、3月以内に死亡したときに、埋葬料(埋葬費)を支給するものです。

(3)出産に関する給付
1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後、6月以内に出産したときに、出産育児一時金及び出産手当金を支給するものです。



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